樹の幹を改めて観察すると、方向による樹皮の質感には違いがあるように見えませんでした。
しかし、枝は陽の当たる方向へ向けて腕を伸ばしているのが明らかで、逆に見るとその場所の陽の指す方向を知りたければ枝の伸びている方向を見れば解る、といったようでした。
陽当たりの悪い場所ではどの方向へもぐるりと均等に枝が拡がっていて、横方向より上の方に向かって伸びているように見えます。
そして、音。
樹の幹に耳を近づけて、水の通る音が聴こえるのだろうかと試しました。
公園の入り口の、大きな桜の木に耳をそばだてるも、水の音は響いてこず、近くの鳥のさえずりばかりが聴こえました。
あの樹の物識りおじいさんが、どこの国のどんな樹に触れていたのか、もはや記憶にはありませんが、そんな音が聞こえたら面白いのだろうなと思います。
一体どんな音なのでしょう。
TOMOYO