桜の雨、千葉での演奏
花冷えの雨、年度最後の一日もとっても寒くなりました。
今日は千葉の京成ミラマーレ トワイライトコンサートでの演奏へ行って参りました。
夕方からは雨脚も強くなりだして、お客さまにお越しいただくの、大丈夫かしらと危惧しておりましたが、
沢山のいつものお客様のお顔があり、ほっといたしました。
文佳ちゃんと毎年恒例のように取り組んでいる作品がいくつかありますが、今日の曲もそのひとつ。
大好きという言葉では足りない、素晴らしい曲の演奏なので、とても気合いが入っておりました。
メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト。
弾くたびに、いや、又一段とこの曲のまぶしいくらいの素晴らしさを感じてしまいます。
(以前の感動を忘れているだけなのかしら…?)
私も気合いが入っておりましたが、文佳ちゃんも同じくだったようです。
冒頭の部分でかなりのエネルギーを使ったとか。
この曲について、以前文佳ちゃんは息つく間を与えないくらいの隙のない構成、と言っていました。
なるほど、と思いながら、最近、改めてこの曲に取り組みながら、
この曲が表現しているそもそもの感情が、暗さ、明るさともに一定の幅の中にあるな、と思いました。
どん底!とか、天にも昇っちゃうくらいハッピー、とか喜怒哀楽の中にも極端なところまでは抑えて、ちゃんとラインがある。
それは曲に深みがないのとは違い、メンデルスゾーンのキャラクター、もしくはメンデルスゾーンの聞き手への配慮、なのか。
(私は「思いやり」と呼んでいます)なのでとても心地よく、安心して音楽に心を任せられるような気がしています。
この曲は本当に沢山の録音があり、ヴァイオリニスト、指揮者によって様々なテンポで演奏されているし、解釈に幅があるので
色々な演奏を聴き比べてみると、奏者の個性が感じられてとても楽しいのではないでしょうか。
私はハイフェッツのヴァイオリン、ミュンシュの指揮のボストンシンフォニーの録音をよく聴いています。
今日は私一人オーケストラの音色を導きだせたかしら…
文佳ちゃんのヴァイオリンは今日もとても良く鳴っておりました!
またこの曲に取り組めたことにとっても喜んでおります。
いつもながら、また演奏させていただけるように諸々整えてくださるミラマーレのホテルの皆様、高知尾さま、
お客さま、ありがとうござました。
演奏後に鈴木前支配人にホテルのそばの喫茶店、ヨーロピアンに連れて行っていただきました。
マスターご夫妻のあったかい笑顔にとても心和むひとときを過ごし、窓から雨の街を眺めながら、
あ、こんな雨も悪くないな、と思い帰路に着きました。
TOMOYO